NHKの朝の番組で加山雄三さんを拝見しました。
加山さん、本当に良い人です。本当に素晴らしい人です。
1989年、メジャーデビューした僕は、加山さんが大のエルヴィス・ファンだと知っていましたから、加山さんの事務所の連絡先を調べて自分で電話して、「ビリー諸川と言います。今度加山さんと同じレコード会社からデビューしました。加山さんに僕のCDをお渡ししたいので会わせて頂けないでしょうか?」すると加山さんの担当マネージャーの方はこの申し出を快諾してくださり、僕は加山さんと麻布のスタジオでお会いしました。CDをお渡しすると加山さんは、「へえ〜、すげえなあ。エルヴィスのメンバーとやったのかよ。おーっ、聴かせてもらうよ。頑張れよな!」と握ってくださった右手の握力の強いこと!
後日、たかが新人が加山さんのような超大物に直接会いに行ったことをレコード会社の人に叱られました(湯川れい子さんは応援してくださいました)が、今朝のNHKでの加山さんを見ていると、こういった意気を汲み取ってくださる、人としての懐がひじょうに大きい人だということを再認識させていただきました。
それから四半世紀経って、エルヴィスの生誕イベントで加山さんと再会したとき、湯川さんからのリクエストで、湯川さん作詞、加山さん作曲の〈THAT'S ALL RIGHT ELVIS〉をギター1本で歌うこととなり、緊張の中、無事歌い終えた僕に加山さん、「いやあ、良く覚えていたよなあ。俺なんか自分で作っておきながら忘れちゃったよ」と。
加山さん、本当に素敵な人なんです。人間として心から尊敬しております。
生涯ロカビリー
ビリー諸川